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産業用設備の自動化支援業のリスティング広告立ち上げ事例

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検索ボリュームが乏しいニッチなBtoB市場で、リスティング広告を立ち上げから安定運用に乗せるまでの試行錯誤をご紹介します。

この事例のサマリー

課題: インテントマッチ(旧:部分一致)×クリック数最大化という初期設定が、検索ボリュームの小さい市場で機械学習の信号不足を招き、クリック単価が高騰。立ち上げ後2ヶ月はコンバージョンがほぼ発生しない状態が続いた

打ち手: 入札戦略を個別クリック単価制(手動CPC)へ切替え、インテントマッチキーワードの除外と除外キーワードの強化でクリックの質を改善。上限CPCを段階的に引き上げながら表示機会を確保しつつ、キーワードをメイン語の周辺語へ拡張

成果: 配信開始から3ヶ月目に初回コンバージョンを獲得。その後は安定的にリードが発生するようになり、直近月では単月で有効リード4件を獲得する水準まで改善。1件あたりの獲得単価は数万円台で推移しており、商談1件・受注1件の単価が大きいBtoB商材であることを踏まえると、十分に投資対効果が見合う水準

実施範囲

  • アカウント設計・キーワード戦略の立案
  • 入札戦略の設計・修正(コンバージョン数の最大化→個別クリック単価制への切替判断)
  • 除外キーワードの継続的な精査
  • 広告アセット(見出し・説明文)の改善
  • 月次レポーティングおよびクライアントとの実数値すり合わせ

 

クライアント概要

工場や物流現場などで使われている既存の産業設備に対し、新規に設備を購入することなく、自動化・省力化の機能を後付けで実装するエンジニアリング支援サービスを展開するBtoB企業。メーカーが仕様を公開していない設備に対しても、独自の技術解析から着手して機能拡張を実現する技術力を強みとしています。

サービス自体の認知度がまだ低く、検索広告は「市場をゼロから掘り起こす」立ち上げフェーズからのスタートでした。

 

課題:検索ボリュームの小さい市場で機械学習が機能しない

立ち上げ当初は、他の好調なキャンペーンと同じ設計思想で「インテントマッチ(旧:部分一致)キーワード+クリック数の最大化」という設定で配信を開始しました。これは検索ボリュームが一定以上ある市場であれば機能しやすい型ですが、このようなニッチ市場では裏目に出ました。

何が起きていたか

  • 検索ボリュームが小さいため、機械学習が最適化に必要な「クリック」「コンバージョン」のシグナルを十分に集められない
  • シグナル不足のまま自動入札が動くため、関連性の低い検索語句にも配信が広がり、クリック単価が高騰(ピーク時で1クリック1,200円超)
  • 配信開始から2ヶ月間、月の広告費が数千円〜1万円台にとどまる月もあり、コンバージョンはほぼ発生しない状態が継続

ここで陥りやすい誤りは、「マッチタイプを絞れば改善する」という判断です。実際にはマッチタイプは配信対象を絞り込む機能にすぎず、入札戦略(自動入札のアルゴリズムが何を目的に動いているか)が崩れている限り、マッチタイプだけを変えても機械学習の判断材料は改善しません。根本原因は入札戦略側にあると判断しました。

 

打ち手:入札戦略を立て直し、キーワードを"広げながら絞る"

① 自動入札から個別クリック単価制(手動CPC)へ切替

月間コンバージョン数がスマート自動入札の最低稼働ライン(目安として月30件程度)に遠く及ばない状況では、自動入札に最適化を委ねること自体が早計と判断。いったん個別クリック単価制に切り替え、人の目で配信対象とクリック単価をコントロールする運用に戻しました。

② インテントマッチキーワードの除外・除外キーワードの強化

意図の広がりすぎるインテントマッチを除外し、フレーズ一致を中心とした構成に整理。並行して検索語句レポートを週次でレビューし、無関係な検索語句を除外キーワードとして継続的に追加しました。

③ 上限CPCの段階的な引き上げ

クリック単価を抑えすぎると表示機会自体が確保できず、データが溜まりません。上限CPCを500円→600円→700円→800円と段階的に引き上げ、「表示機会の確保」と「広告の関連性・LPの利便性を改善して品質スコアを上げ、結果的に単価を下げる」という2つの取り組みを並走させました。

 

④ メインキーワードの周辺語への拡張

サービス名そのものの単語単体では検索する人が限られるため、ターゲットが実際に検索しそうな周辺語へキーワードを拡張。拡張した語句に対応するコンテンツがLP側にあることも事前に確認しました。

 

成果:0件から、安定的に複数件獲得できるキャンペーンへ

配信開始から2ヶ月間ほぼ動きがなかった状態から、3ヶ月目に初回コンバージョンを獲得。そこから品質スコアの改善とキーワードの最適化を重ねた結果、直近では月内に複数件の有効リード(無料相談・資料請求)が安定的に発生する状態まで改善しました。直近の好調月では、単月で4件の有効リードを獲得しています。

検索語句についても、立ち上げ当初は意図のズレた語句が混ざっていましたが、現在は想定したキーワード群の範囲内で安定して流入するようになっています。

「月数件」で十分に成立するBtoB商材ならではの視点

リード件数だけを見ると、月数件という数字は派手ではありません。しかし本サービスのように、1件の商談・受注で動く金額が大きく、検討期間も長いBtoB商材では、月数十万円の広告費に対して有効なリードが月数件安定的に発生していれば、投資対効果としては十分に成立します。実際、1件あたりの獲得単価はおおむね数万円台で推移しており、受注単価の規模感を踏まえれば十分に許容できる水準です。

BtoCや単価の低いBtoB商材と同じ感覚で「件数の絶対値」だけを成果指標にしてしまうと、このような高単価・低頻度の商材では本来うまくいっている施策を「成果が出ていない」と早合点してしまうリスクがあります。商材の受注単価とLTVを踏まえたうえで、何件のリードがあれば投資対効果が成立するかを事前に握っておくことが重要です。

 

再現のポイント

マッチタイプではなく、入札戦略を疑う

機械学習を前提とした自動入札は、十分なコンバージョンデータがあって初めて機能します。データが乏しい立ち上げ初期にうまくいかない場合、「マッチタイプを絞る」という対症療法だけでなく、「そもそも自動入札に向いている状況かどうか」を見直すことが重要です。

ニッチ市場では、上限CPCを"探りながら"上げる

表示機会を確保できなければ、そもそもデータが溜まりません。クリック単価を闇雲に抑えるのではなく、段階的に引き上げながら品質スコア改善と両輪で進めることで、無駄打ちを抑えつつ機会損失も防げます。

キーワードは「メイン語」だけでなく「周辺語」もセットで設計する

ニッチな専門用語だけに依存すると、検索ボリューム不足から抜け出せません。ターゲットが実際に使う周辺語へ広げつつ、広げた分だけLP側のコンテンツも対応させることが、コンバージョンにつなげるための前提条件です。

「件数」ではなく「受注単価に見合う件数か」で成果を判断する

高単価・低頻度のBtoB商材では、月数件のリードでも十分に成果と呼べるケースがあります。施策の評価軸は、業界の取引慣行や受注単価をもとに事前に設計しておくことが大切です。

※本記事は守秘義務の観点から、業種・固有名詞等を一部抽象化して掲載しています。

 

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