リスティング広告にはGoogle...
資産運用コンサルティング業:サイト構造の抜本的見直しと資料請求動線の最適化により、富裕層からの有効商談獲得を加速
3行サマリー
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課題:専門性の高いサービスゆえにWeb集客の難易度が高く、資料ダウンロード後の商談化率や問い合わせの質に課題があった。
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打ち手:点在していたサービス紹介ページの統合・LP化、資料の「3点セット化」によるCVR改善、および検索意図に基づく主要記事のリライト。
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成果:上場企業オーナーや大規模資産保有者からの有効問い合わせを複数獲得。資料ダウンロード完了率の向上にも寄与。
実施範囲
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サイト構造の再設計(ページ統合・LP化)
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コンバージョン動線の最適化(資料3点セット化・フォーム改善)
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コンテンツマーケティング(主要記事のリライト・SEO構成案作成)
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広告運用・効果計測整備
主要成果
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月平均 有効コンバージョン数:4.5件(2024年6月以降)
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ターゲット層(上場企業オーナー等)からの商談獲得
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資料ダウンロード完了率の改善(目標20%に向けた基盤構築)
クライアント概要
基本情報
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業種:プライベート・ウェルス・マネジメント(資産運用コンサルティング)
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エリア:東京都(全国対応)
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規模感:専門家集団による少数精鋭組織
ビジネスモデル
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提供サービス:資産承継・管理に関する包括的コンサルティング。
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単価帯:月額100万円〜(6ヶ月〜の顧問契約)。
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検討期間:半年〜1年以上の長期にわたるケースが多い。
相談時点の集客状況
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紹介による顧客獲得が中心。
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自社サイトにコラム記事等は蓄積されていたが、流入からCV(問い合わせ・相談)への導線が未整備で、Webを十分に活用しきれていなかった。
課題整理(症状 → 原因仮説の順)
症状:問い合わせの質が不安定で、資料ダウンロードが商談に繋がらない
Webサイトからの資料ダウンロードは発生しているものの、その後の商談化に至らないケースが多く、ターゲット層以外(同業者や営業目的など)の流入も混在していました。また、サービス内容が非常に専門的かつ多岐にわたるため、初見のユーザーにとって「具体的に何をしてくれるのか」が直感的に伝わりにくい状態でした。
原因仮説:情報の「点在」と「ハードルの高さ」
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需要の取りこぼし:サービスの本質を伝えるページと、用語解説のページが分断されており、ユーザーが価値を十分に理解する前に離脱していると判断しました。
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CVポイントの訴求不足:単体資料(パンフレット等)の提供だけでは検討を深めるには情報が足りず、ユーザーが次のアクション(相談)に移る動機付けが弱いと推測しました。
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コンテンツの可読性不足:専門用語が多く文章が硬いため、スマホユーザーや多忙な経営層にとって読了のハードルが高いと分析しました。
目標とKPI設計
プロジェクトのゴール
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ターゲット層(上場企業オーナー、富裕層)からの「有効な問い合わせ」の安定獲得
主要KPI
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有効コンバージョン数:月間4〜5件の安定維持(ターゲット層のリード獲得)
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資料ダウンロード完了率:現状の10%前後から20%への引き上げ
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SEO順位:主要な検討キーワードでの検索結果1ページ目上位の維持
施策の切り分け
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短期:資料の3点セット化と既存ページのUI/UX改善によるCVR底上げ。
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中長期:サービスページのLP化と主要記事のリライト、および外部メディア等を通じた認知拡大(指名検索の創出)。
全体戦略
多忙な富裕層・経営層の検索行動と検討プロセスに合わせた「マルチチャネル・アプローチ」を構築しました。
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検索広告:特定ニーズ(事業承継、資産管理等)を持つ「今すぐ客」を最短距離でLPへ誘導します。
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サービスページ(統合LP):信頼性を担保する重厚なコンテンツで、サービスの価値を1ページで伝え、問い合わせ意欲を喚起します。
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コラム記事:広範な知識を求める層をSEOで集客し、内部リンクを通じてサービスページや資料請求へ誘導します。
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計測整備:ユーザー行動を詳細に可視化し、PDCAを回すための意思決定基盤を構築します。
施策の詳細
フェーズ1(0〜2週):計測・導線・最低限の勝ち筋づくり
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行動ログの可視化:GTM/GA4を用いた詳細な計測設定を行い、どの記事からCVが発生しているかを特定しました。
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資料の「3点セット化」実装:バラバラに設置されていた「会社紹介」「お役立ち資料」「事例集」を1つのパッケージに統合。
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施策の狙い:個別の資料では情報が断片的なため、一括提供により検討プロセスを一気に進めることを目指しました。
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実施後の変化:事例集への接触機会が劇的に増え、サービスへの理解度が深まった状態でのリード獲得が可能になりました。
フェーズ2(〜1-2ヶ月):広告最適化+LP改善
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サービス紹介ページの統合とLP化:複数のページに分かれていたサービス内容を1つの縦長ページに統合しました。
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ビジュアル・見出しの整理:デザインパーツを刷新し、余白やフォントを調整して「読みやすさ」を向上させました。
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施策の狙い:ページ移動のストレスを減らし、ストーリーに沿った理解を促すことで離脱を防ぎました。
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実施後の変化:サイト内回遊率が向上し、サービスの本質(他社との違い)が伝わりやすい構造に進化しました。
フェーズ3(〜3-6ヶ月):コンテンツ/構造強化、勝ちパターン拡張
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主要5〜10記事の重点リライト:コンバージョンに寄与している特定の記事(資産承継、ガバナンス関連等)の構成を再設計しました。
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FAQと図解の追加:読者の疑問を解決するQ&Aと、複雑な仕組みを可視化するインフォグラフィックを挿入。
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施策の狙い:検索順位の維持に加え、スマホユーザーの滞在時間を延ばし信頼性を高めることを重視しました。
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実施後の変化:主要キーワードでの上位表示が安定し、記事経由のCVRが着実に改善しました。
成果
主要成果(Before/After)
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2024年6月以降、月平均4.5件の「有効な問い合わせ」を継続的に獲得しています。
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プロジェクト開始前と比較し、上場企業オーナーや大規模資産保有者など、商談可能性の高い層からのコンバージョンが目立つようになりました。
成果の内訳
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既存資料を「初めてのガイド」としてリパッケージし、タイトルの抽象度を調整したことで潜在層の獲得数が向上しました。
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サービス紹介ページの統合により、ユーザーが価値を深く理解した上で問い合わせる「質の高いCV」が増加しました。
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成果には季節要因、広告予算の調整、外部メディア露出による指名検索の増加が寄与した可能性が高いと考えられます。
学び・再現ポイント
うまくいったポイント
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「網羅性」と「信頼性」の両立:専門性の高いBtoB商材では、情報は小出しにするよりも、1ページで完結する重厚なコンテンツ(LP)の方が信頼を獲得しやすい。
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資料の「まとめ提供」の有効性:ユーザーは「何度も情報を入力したくない」ため、価値のある資料をセット提供することがCVR向上の最短ルートとなる。
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タイトルの「とっつきやすさ」:専門的なタイトルを、初心者でも全体像がわかるタイトル(〜初めてガイド等)に変更したことで、ダウンロードの心理的ハードルが下がった。
つまずいた点と乗り越え方
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資料の更新性:外部向け資料の作成に工数がかかる懸念がありましたが、既存のチラシや社内資料を最小限の修正でリパッケージすることで、スピード感を持って実装しました。
体制と進め方・役割分担
コミュニケーション体制
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月1回の定例Webミーティングを実施。
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数値報告、課題の抽出、および次月のアクションプランの合意。
役割分担
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コンサルタント側(弊社):全体戦略設計、詳細な計測設定、記事の構成案作成、およびUX改善提案を担当。
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クライアント側:業界知識に基づいたコンテンツ監修、社内保有データの提供、サイト内への実装作業を担当。
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主な納品物:改善提案レポート、主要記事のSEO構成案、サイト改修指示書。
次の打ち手
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調査リリースの発行:富裕層向けの意識調査などを実施し、1次情報の発信を通じてプレゼンスをさらに強化します。
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マルチチャネル展開:書籍出版や外部メディア出稿とWebを連動させ、指名検索の最大化と権威性の向上を図ります。
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AI・MA活用による効率化:リード獲得後の自動振り分けや通知設定を行い、営業対応のスピードと精度を向上させます。