水道修理業のリスティング広告改善事例|CPA3万円→1万円にした運用手順と実データ
Webマーケティングコンサルタント/合同会社KAIZUKA代表。マーケ担当がいないBtoB中小企業に特化し、戦略設計から少額予算からのリスティング広告・SEO・LLMO(AI検索最適化)の実行まで、提案・窓口・実行を一貫して担当。担当者が変わらない伴走支援を東京を拠点に全国で提供。マーケ支援12年・150社以上。

この事例のサマリー
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課題:前代理店での運用が形骸化しており、適切な打ち手が行われていなかった。CPAが約30,000円に高騰し、成約率も約30%に留まってビジネスとして成立しない状態。
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打ち手:キャンペーン構造の統合、ランディングページのリニューアル、入札戦略とマッチタイプを「個別クリック単価・フレーズ一致」から「コンバージョン数の最大化・インテントマッチ」へ段階移行。
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成果:CPAを最終的に10,000円前後まで改善。成約率が約30%→約70%まで向上し、1契約あたりの広告費が約2万円まで低下。月間予算を30万円→100万円規模へ拡張。
主要成果

クライアント概要|関東圏の緊急水道修理業者・月間広告予算30万円
業種・エリア|関東圏の個人宅向け緊急水道修理サービス
関東圏で展開する、一般消費者向けの緊急水道修理サービス業者です。水回りのトラブルに即日対応できる体制を持ち、個人宅を主な顧客層としています。Web集客に意欲的で、リスティング広告をメインチャネルとして活用していました。
サービスと単価帯|1件数万円〜十数万円、ユーザーは数分で業者を決める
自宅の急なトラブルに対し、現地調査から修理完了まで一貫して対応するサービスです。1件あたりの単価は数万円〜十数万円程度と幅があります。ユーザーは「今すぐ来てくれるか」「信頼できる業者か」という基準で瞬時に判断するため、検索上位表示とサイト訪問時の第一印象が成否を分けます。鍵修理や不要品回収と近い業界特徴があります。
ご相談時点|前代理店の運用でCPA約30,000円・成約率約30%
リスティング広告の運用を前代理店に数ヶ月間委託していましたが、成果が出ないため切り替えを希望してのご相談でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月間広告予算 | 30万円 |
| CPA(問い合わせ獲得単価) | 約30,000円 |
| 成約率 | 約30% |
| 1契約あたりの広告費 | 約90,000円(採算ライン超) |
CPAが3万円・成約率30%の場合、1件の契約獲得にかかる広告費は約9万円です。この水準では採算が取れないことは明白で、アカウントを精査した結果、適切な改善施策が講じられないまま運用が継続されていた状態でした。
課題整理|CPA3万円・成約率30%で、1契約あたりの広告費が9万円に
月30万円を消化しながらも、問い合わせの多くが契約に繋がらない状態が続いていました。CPAが3万円・成約率が30%の場合、1契約の獲得に広告費が約9万円かかる計算になります。この水準では事業として利益が出ません。

原因仮説
原因1:キャンペーン構造が分散し、自動入札が学習できていない
キャンペーン構造が複雑に入り組み、コンバージョン実績が各キャンペーンに薄く積み上がった結果、自動入札が機能せず非効率な配信が続いていました。予算規模に対して適切にキャンペーンを絞り、データを集約することが必要です。
原因2:LPが価格訴求に偏り、成約率の低い問い合わせを集めていた
「早い・安い・安心」を掲げる業者が乱立する市場のなか、既存のLPは競合と比較して差別化要素が薄い状態でした。価格訴求に寄った内容が低品質な問い合わせを集め、成約率の低下につながっていたと考えられます。
原因3:フレーズ一致のままで、「水漏れ」など症状系の検索語句を取りこぼしていた
緊急系サービスはユーザーが実際の症状をそのまま検索窓に入力するため、検索語句の幅が広くなります。コンバージョンデータが不十分な段階で適切な移行が行われておらず、非効率な配信の一因となっていました。
水回りのトラブルは、ユーザーが専門用語を知らないまま検索します。「水漏れ 修理」のような業界側の言葉ではなく、「シンクの下 水浸し」「トイレの水 止まらない」「蛇口 ポタポタ 直し方」といった、目の前で起きている現象そのものが検索窓に入力されます。
フレーズ一致はキーワードの語順と意味を保った検索語句にしか反応しないため、この振れ幅を登録キーワードだけでカバーしようとすると、登録数が膨大になるうえ、それでも取りこぼしが発生します。実際、引き継ぎ時点の検索語句レポートを見ると、コンバージョンにつながった検索語句の多くが登録キーワードとは異なる言い回しでした。
一方で、この幅の広さは無駄クリックの温床でもあります。配信の幅を広げる前に、除外キーワードで受け皿を整えておく必要がありました。
他の代理店から運用を引き継ぐ場合、既存アカウントの引き継ぎは即日、新規構築は配信開始まで約2週間が目安です。初期費用や契約期間を含めた引き継ぎ時の条件を公開しています。
目標とKPI設計|受注単価から逆算した目標CPAは20,000円以内
ゴール|管理画面のCPAではなく、1契約あたり広告費で採算を取る
管理画面上の数値改善ではなく、「受注単価と成約率を踏まえたCPA目標」を起点に、広告費に見合った利益が出るビジネスモデルを実現することをゴールとしました。
主要KPI|CPA20,000円以内・成約率50%以上・月間CV15件
| KPI | 目標値 | 設定根拠 |
|---|---|---|
| CPA(問い合わせ獲得単価) | 20,000円以内 | 成約率・受注単価から逆算した許容ライン |
| 成約率 | 50%以上 | 問い合わせ〜契約の転換率 |
| 月間コンバージョン数 | 15件前後 | 30万円予算・CPA2万円から逆算 |
短期と中長期|先に無駄クリックを止め、次にLPで成約率を上げる
- 短期: キャンペーン構造の整理と除外キーワードの精査により、無駄なクリックコストを削減する。
- 中長期: LPリニューアルによるCVRと成約率の改善。入札戦略をインテントマッチ・コンバージョン数の最大化へ段階的に移行し、自動最適化の恩恵を受けられる状態を作る。
全体戦略|「広告→LP→問い合わせ→成約」を一本の導線として設計する
「広告→LP→問い合わせ→成約」の一連の流れを見直すことを基本方針としました。
- 広告運用: キャンペーンを統合・整理し、コンバージョンデータを集約。データが蓄積された段階でインテントマッチと自動入札へ移行し、広範な検索意図をカバーする。
- LP: 価格訴求から脱却し、信頼性・技術力・対応速度など成約につながる要素に軸足を移す。広告・LP・サービスの一貫性を担保し、問い合わせの質を引き上げる。
- 計測・モニタリング: 管理画面のコンバージョン数だけを追うのではなく、成約状況・受注単価を別途モニタリングし、実利益ベースで広告を評価・調整する。

施策の詳細|3フェーズで進めた水道修理のリスティング広告改善

フェーズ1(〜1ヶ月):キャンペーン構造の統合と、除外キーワード・電話CV計測の整備
現状のアカウントを精査し、非効率の根本を取り除くことから着手しました。
キャンペーン構造を見直してコンバージョンデータを集約し、除外キーワードを整備することで業種外・低品質な検索語句からの流入を遮断しました。
また、電話コンバージョン計測を整備し、「スマホ電話タップ数」と「実通話数」の乖離を把握できる体制を構築しました。
この業種の問い合わせは大半が電話です。しかし電話コンバージョンには、フォーム送信にはない固有の難しさがあります。
ひとつは、スマートフォンの電話番号タップがそのまま通話成立を意味しないという点です。タップしたあとに発信をやめる、通話が混雑でつながらない、営業時間外で応答できない──いずれもタップ数としては1件計上されます。タップ数だけを見ていると、実際より多くのコンバージョンが取れているように見えてしまいます。
もうひとつは、通話の中身が判別できない点です。営業電話、間違い電話、既存客からの問い合わせも同じ1件として記録されます。
そこで、一定の通話時間を超えたものだけを有効なコンバージョンとして計上する設定に切り替え、管理画面の数値と現場の実感を一致させました。この計測整備をフェーズ1で済ませておいたことが、フェーズ3で自動入札に移行する際の前提条件になっています。学習させるデータが不正確なままでは、自動入札は誤った方向に最適化されます。
自動入札の学習精度はデータ集約が前提です。ノイズの多い状態で最適化を進めても効果が出ないため、この整理を最初のステップとしました。結果として無駄なクリック消費が減り、より確度の高い検索語句に予算が集中するようになりました。
緊急駆けつけ型サービスで除外すべき検索語句は、大きく6つのカテゴリに分かれます。
1. DIY・自己解決系
「水漏れ 自分で 直す」「パッキン 交換 方法」など。業者を探しているのではなく、自力で解決しようとしている層です。この業種で最も流入量が多く、最も成約しない検索語句群です。
2. 求人・採用系
「水道 求人」「配管工 募集」「水道工事 未経験」など。求職者の検索です。
3. 資格・学習系
「給水装置工事主任技術者」「水道 資格 難易度」など。同業者や学習者の検索です。
4. 部品・商品購入系
「蛇口 交換 ホームセンター」「パッキン 販売」など。修理サービスではなく物品を探している層です。
5. 公共・行政系
「水道局」「水道料金」「水道 開栓 手続き」など。自治体窓口を探しているユーザーで、修理需要はありません。
6. エリア外の地名
出張可能範囲の外側にある地名。地域指定だけでは、対象エリアから範囲外の業者を検索するケースを防ぎきれません。
このアカウントでは、引き継ぎ後の1ヶ月で検索語句レポートを週次で確認し、上記カテゴリに該当する語句を順次除外していきました。除外の判断基準は「その検索語句を入力した人が、いま料金を払って業者を呼ぶ状態にあるか」の一点です。
フェーズ2(1〜2ヶ月):LPリニューアルで訴求軸を「安さ」から「技術力・信頼性」へ
競合LPを調査し、「技術力・実績・安心感」を前面に出した構成へ刷新しました。価格訴求を抑え、対応スピード・アフターフォローなど成約率に影響する要素を優先配置しています。
安値を訴求するLPは価格感度の高い層を集める一方、成約率と受注単価を下げます。
広告・LP・サービスの一貫性がない状態では、コンバージョン数を増やしても利益には繋がりません。LP公開後から成約率が顕著に改善し始め、同じ問い合わせ数でも契約件数と受注単価が上昇しました。
フェーズ3(2〜3ヶ月以降):インテントマッチ・コンバージョン数の最大化へ段階移行
コンバージョンデータが蓄積されたタイミングで、フレーズ一致・個別クリック単価からインテントマッチ・コンバージョン数の最大化へ段階的に移行しました。
ユーザーが実際に入力する症状系ワードを学習させることで、配信の幅を広げながらCPAを維持しています。また、成約状況と掲載位置・キーワードのパフォーマンスを継続モニタリングし、利益に繋がらないクリックを除外する運用を継続しました。

この業種のユーザーは検索語句のバリエーションが極めて広いため、インテントマッチへの移行は成果拡大に不可欠な判断でした。移行後は問い合わせ数が増加しながらCPAも低下するという、理想的な改善曲線を描くようになりました。
なお、水回りのトラブルは「水漏れ」と「詰まり」で作業内容も受注単価も異なります。追加工事の発生率にも差があるため、本来は分けて目標単価を設定したいところです。
ただし、この判断には順序があります。予算規模が小さい段階で症状別にキャンペーンを分けると、せっかく集めたコンバージョンデータがまた分散し、自動入札が学習できなくなります。 今回のアカウントで最初にやったことが「キャンペーンの統合」だったのは、まさにこの理由からです。
分割を検討できるのは、統合した状態で自動入札が安定して回り、予算とコンバージョン数に余裕が出てからです。このアカウントでも、月間予算が100万円規模まで拡張できた段階になって初めて、症状別の設計が現実的な選択肢になりました。「分けたほうがいい」は正しくても、「いま分けるべきか」は別の問いです。
主要成果の推移|CPA3万円→1万円、成約率30%→70%、予算は100万円規模へ
3ヶ月の運用改善を通じて、問い合わせ獲得効率と成約率の両面で大きく改善しました。
| 指標 | 改善前 | 3ヶ月後 | その後 |
|---|---|---|---|
| CPA | 約30,000円 | 約15,000円 | 約10,000円前後 |
| 成約率 | 約30% | 約70% | 約70%維持 |
| 1契約あたりの広告費 | 約90,000円 | 約21,000円 | 約20,000円 |
| 月間予算 | 30万円 | — | 100万円規模へ拡張 |
特筆すべきは、CPA改善よりも成約率の改善インパクトが大きかった点です。管理画面上のCPAをただ下げることに注力していた場合、成約率という最大の改善機会を見逃していた可能性があります。成約率が70%まで上がったことで、1契約あたりの広告費は2万円ほどになり、ビジネスとして採算が取れる水準になりました。月間予算についても、投資対効果が改善したことで30万円から100万円規模への拡張を判断できるようになっています。
※成果数値は当該クライアントの運用実績に基づくものです。業種・競合環境・エリア・LPの質などによって異なるため、同様の成果を保証するものではありません。
学び・再現ポイント|水道修理のリスティング広告で効いた3つの判断
うまくいったポイント|CPAの改善より、成約率の改善インパクトが大きかった
1. 広告・LP・サービスの一貫性を最優先にしたこと
「安さ」で集客して「高品質サービス」を届けようとすると、問い合わせの質が下がります。LPの訴求を実際のサービス価値に合わせたことで、問い合わせの質と成約率が同時に改善しました。
2. 入札戦略の移行タイミングを焦らなかったこと
コンバージョンデータが不十分な状態での自動入札移行は逆効果になります。フレーズ一致・個別クリック単価で土台を作ってからインテントマッチへ移行したことで、移行後の自動最適化が適切に機能しました。
3. 成約率を別途モニタリングしたこと
管理画面のコンバージョン数だけを追っていては、成約率の変化を見逃します。問い合わせ後の成約状況を把握する仕組みを作ったことが、実利益ベースでの改善に繋がりました。
同業種ならこうする|鍵修理・不用品回収など緊急駆けつけ型への応用
鍵トラブル(鍵修理)・不用品回収・遺品整理・害虫駆除など、同じ緊急系・レスキュー系業種のリスティング広告にも応用できる考え方です。「悪質業者が多い業界」では信頼性の可視化が最優先課題になることが多く、LP改善への投資対効果が広告費への投資を上回るケースがあります。
先に手をつけると失敗すること
この事例で意図的に「後回しにした」ことが3つあります。
ひとつは、インテントマッチへの早期移行です。配信の幅を広げれば問い合わせは増えますが、除外キーワードと計測が未整備の状態では、増えるのは成約しない問い合わせです。
ふたつめは、CPAの数値目標だけを先に決めることです。成約率30%のままCPAを1万円に下げても、1契約あたりの広告費は3万円強にしかなりません。今回、最終的に採算ラインに乗った最大の要因は、CPAではなく成約率が30%から70%に上がったことでした。
みっつめは、広告費の増額です。1契約あたりの広告費が採算ラインを超えている状態で予算を増やせば、赤字が拡大するだけです。予算の拡張は改善の結果であって、手段ではありません。
体制と進め方|月次定例で成約状況を共有し、実利益ベースで判断する
月次の定例ミーティングで前月の数値を確認し、成約状況・受注単価・キーワードのパフォーマンスをもとに翌月の方針を決定しました。管理画面の数値だけでなく、現場での商談状況をフィードバックいただくことで、実利益に直結する意思決定が可能になっています。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| クライアント側 | 問い合わせ後の成約状況・受注単価・現場フィードバックの共有 |
| 弊社側 |
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