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100社のBtoBサイトを見てわかったCVRと問い合わせを改善する10の優先項目

 

100社のBtoBサイトを見てわかったCVRと問い合わせを改善する10の優先項目

「アクセスは月に数百件ある。でも問い合わせがほとんど来ない。」

この状況に心当たりがある方は少なくないと思います。広告を出している、ブログを更新している、Google広告の管理画面も定期的に見ている——それでも問い合わせがゼロに近い状態が続いている。

原因を探そうとGA4を開いて、直帰率を眺めて、それでも何をどう変えればいいかわからない。

こうしたケースを10年間・100社以上のBtoBサイトで見てきた経験から言うと、問題の大半はサイト側にあります。広告文や入札の設定よりも、ランディングページの構造や問い合わせへの導線が原因であることが圧倒的に多いです。

この記事では、弊社が実際にサイトを診断するときに確認する10の項目を、インパクトと着手しやすさを考慮した優先順に紹介します。「自分のサイトはどこが問題か」をチェックしながら読み進めてもらえれば、今週中に着手できる改善が少なくとも1〜2つは見つかるはずです。

※ この記事はサイト・LPのCVR改善に特化した内容です。集客施策(SEOと広告の使い分け)についてはこちらの記事をご覧ください。

この記事の目次

  • BtoBサイトのCVRとは?目安と考え方
  • 「アクセスはある」のに問い合わせゼロ——その落とし穴
  • 広告担当者が見落としがちなこと
  • CVRと問い合わせを改善する10の優先項目
  • 自分でできる範囲と、専門家に相談すべきタイミング
  • 自己診断チェックリスト
  • まとめ
  • よくある質問

BtoBサイトのCVRとは?目安と考え方

CVR(コンバージョン率)とは、サイトへの訪問者のうち何割が問い合わせや資料請求などのアクションを起こしたかを示す指標です。計算式はシンプルで「CV数 ÷ セッション数 × 100」で求められます。

よく「BtoBのCVRの平均は0.5〜1%」などと言われますが、正直なところ、この数字はほとんど参考になりません。業種、サービス単価、流入経路、検討期間の長さによって大きく変わるためです。月100万円のサービスと月5万円のサービスでは、問い合わせのハードルが根本的に違います。

重要なのは「平均と比べてどうか」ではなく、「今より改善できるか」です。現状のCVRがどれだけ低くても、適切な施策を順番に実行すれば改善できます。この記事ではその具体的な手順をお伝えします。

「アクセスはある」のに問い合わせゼロ——その落とし穴

「月に数百〜1,000PVはある。でも問い合わせがほぼゼロ」という状況は、BtoBサイトではよく見られます。問題は、このとき多くの方が「アクセス数は十分ある、だからCVRを改善すれば解決する」と考えてしまうことです。

実務上の実感として、この状況には2つのパターンがあります。

パターンA:問い合わせへの導線がスムーズでない

サービスや会社のことは伝わっているが、「次にどうすればいいか」が訪問者に伝わっていない状態。これはCVR改善で対応できます。

パターンB:流入の質自体が低い

ブログ記事や関係ないキーワードで偶然クリックされているだけで、実際のターゲットがほとんど来ていない状態。この場合はCVRを改善しても問い合わせは増えません。SEOや広告の流入設計から見直す必要があります。

SEOや広告の流入設計から見直す必要があります。SEOと広告の使い分けはこちら、少額広告での集客についてはこちらを参考にしてください。

まず「自分のサイトはどちらのパターンか」を判断することが先決です。GA4で細かい数値を追う前に、ターゲットに近い人や外部の人間にサイトを見てもらうほうが、課題の発見が早いケースがほとんどです。

広告担当者が見落としがちなこと

Google広告やMeta広告を運用している場合、つい管理画面の作業に時間をかけすぎてしまいがちです。入札の調整、広告文の細かいチェック、検索語句の精査——こうした作業は一定のラインまでは意味がありますが、それ以上深追いしても成果への影響は限定的です。

よく見られるのは、広告設定には細かく手を入れているのに、その広告がリンクしているLPやサイトには何ヶ月も触っていない、というケースです。

広告はあくまで「訪問者を連れてくる」手段です。連れてきた訪問者が問い合わせに至るかどうかは、サイト側の質で決まります。管理画面の最適化より、まずサイト側の改善を優先することで、同じ広告費でも成果が大きく変わります。

少額予算での広告運用の考え方についてはこちらの記事も参考にしてください。

CVRと問い合わせを改善する10の優先項目

以下は弊社が100社以上のBtoBサイトを診断・支援してきた経験をもとに、インパクトと着手コストのバランスを考慮して並べた優先項目です。「①から順番にやらなければいけない」ということはありませんが、上位の項目ほど効果が出やすく、かつ対応しやすいものが多いです。

① ファーストビューのメッセージを見直す

最初に確認すべきはここです。サイトを開いて最初に目に入るエリア(ファーストビュー)のメッセージが、訪問者の課題や状況と合致しているかどうかを確認してください。

よく見られる失敗パターンは、「誰の何を解決するのか」が伝わらない抽象的なメッセージです。たとえば「ビジネスの成長を支援します」「あなたのパートナーとして」といった表現は、何の会社かがわかりません。

効果的なファーストビューは、ターゲットと効用が具体的に書かれています。弊社であれば「Web担当がいないBtoB企業の」「マーケティング支援を伴走型で行う」といった形で、誰向けに・何をするのかを明示しています。

このメッセージを具体化するだけで、CVRが数倍になることは珍しくありません。コストもほとんどかからず、最初に取り組む価値が最も高い施策です。

② フォームの項目を削減する

問い合わせフォームの入力項目が多いほど、途中で離脱する人が増えます。これは体感的にも理解しやすいはずですが、実際のサイトを見るとまだ多くの入力項目が残っているケースが多いです。

確認すべき点は以下の通りです。

  • 必須項目は本当に最低限か
  • 「会社名・氏名・メールアドレス・問い合わせ内容」の4項目で成立しないか
  • 電話番号・部署名・役職などは任意にできないか

初回問い合わせで多くの情報を集めようとするほど、問い合わせ数は減ります。詳細は商談の中で聞けばよいという割り切りが、CVR改善には効果的です。

③ 資料ダウンロードを設置する

「今すぐ問い合わせするほどではないが、もう少し詳しく知りたい」という温度感の訪問者は多くいます。こうした層に対して、問い合わせ以外のCV経路を用意しておくことが重要です。

サービス資料・導入事例集・料金表などをダウンロードできるようにすることで、検討段階の見込み顧客との接点を作れます。ダウンロードの際にメールアドレスを取得し、その後のメールでのフォローにつなげることも可能です。

特にBtoBで検討期間が長いサービスでは、「問い合わせ」だけをCVに設定するよりも、資料ダウンロードをマイクロCVAとして設定することで、見込み顧客の取りこぼしを防げます。資料DLをCVとして計測・管理する方法についてはKPIの設計と数値管理も参考にしてください。

④ サービスの特徴とターゲットを明確にする

「どんな会社にも対応できます」という姿勢で作られたサイトは、結果としてどの訪問者にも刺さりません。ターゲットを絞ることで反響が減るように感じるかもしれませんが、実務上は逆で、ターゲットを絞るほど問い合わせの質・量ともに改善するケースが多いです。

確認すべきポイントは以下です。

  • 「こんな会社向けです」という対象が明示されているか
  • 競合と比べたときの自社の特徴が1〜2点に絞って伝わっているか
  • 「うちのことだ」と感じてもらえるような言葉が使われているか

①のファーストビュー改善と連動する施策でもあります。

⑤ CTAボタンの文言・配置を見直す

「お問い合わせはこちら」というボタンは、それ自体は悪くありませんが、訪問者が迷わずクリックできる位置と文言になっているかを確認してください。

改善のポイントは以下の通りです。

  • スクロールしなくても見える位置にCTAがあるか
  • ページの途中にも複数設置されているか
  • ボタンの文言がアクションを促す表現になっているか(「相談してみる」「資料を見る」など)
  • ボタンの色がページの中で視認しやすいか

コストをかけずに試せる施策のひとつです。

⑥ 価格・料金のイメージを掲載する

「価格は要問い合わせ」のみのサイトは、問い合わせのハードルが上がります。訪問者は問い合わせる前に「予算感が合うかどうか」を確認したいと思っているためです。

価格を明示できない事情がある場合でも、「月10万円〜」「100万円台〜」「プランにより異なります(目安:月30万円前後)」のように、おおよそのイメージだけでも伝えることを推奨します。金額が10万円なのか100万円なのか300万円なのかがわかるだけで、見込み顧客の自己判断が進み、質の高い問い合わせが増える傾向があります。

「価格を出すと問い合わせが減る」と心配されることもありますが、実務上は価格を出さないことで「予算が合わない問い合わせ」が増え、かえって商談効率が下がるケースが多いです。

⑦ 実績・事例・顔写真などの信頼要素を追加する

BtoBの購買は「この会社に頼んで大丈夫か」という信頼の確認プロセスを経て行われます。サイトにその根拠が不足していると、問い合わせまで至らないまま離脱されます。

有効な信頼要素の例は以下の通りです。

要素 内容の例
実績数 「支援実績150社以上」「導入企業300社」
事例・声 導入前後の変化、お客様の声
担当者の顔写真・プロフィール 誰が対応するかが見える
メディア掲載・資格・受賞歴 第三者からの評価
設立年・会社情報 運営の実態が見える

特に小規模事業者の場合、担当者の顔写真とプロフィールを掲載するだけで問い合わせ率が上がることがあります。

⑧ 問い合わせ手段を増やす(LINE等)

「フォームから問い合わせるのはハードルが高い」と感じる層がいます。特に個人事業主や小規模法人のターゲットに対しては、LINEやチャットツールを問い合わせ窓口として追加することが有効です。

実際の支援事例として、問い合わせ手段にLINEを追加したところ、初月から9件の問い合わせが発生し、うち3件が受注につながったケースがありました。フォーム経由では発生しなかったコミュニケーションが生まれた形で、LINE経由の問い合わせは「なければそもそも接点がなかった」機会を作り出す効果があります。

ただし、LINEは運用コストがかかるため、対応リソースを確認した上で導入を検討してください。

⑨ フリー素材をリアルな写真・コンテンツに差し替える

サイト全体がフリー素材の写真で構成されている場合、「実態のない会社」に見える可能性があります。自社オフィス・実際の作業風景・担当者の写真など、リアルな画像への差し替えは、信頼性の向上につながります。

①〜⑧に比べると即効性は低いですが、サイト全体の印象を底上げする効果があります。スマートフォンで撮影した写真でも、構図と明るさを整えれば十分に使えます。

⑩ 古い情報・お知らせを更新する

「最新のお知らせ:2022年3月」のような表示が残っているサイトは、今も活発に事業を行っているかどうか不安に感じさせます。特に問い合わせページの近くに古い情報があると、問い合わせをためらわせる原因になります。

新しいコンテンツを追加することが難しければ、古い情報を非表示にするだけでも印象が改善します。サイトが「生きている」状態を保つことを意識してください。

自分でできる範囲と、専門家に相談すべきタイミング

10の施策のうち、自社で対応しやすいものとそうでないものを整理します。

自社対応しやすい 専門家への相談を検討
①FVメッセージの書き直し ③資料DLのLP設計・ステップメール構築
②フォームの項目削減 ④サービス設計レベルの見直し
⑤CTAボタンの配置・文言変更 ⑦事例インタビューの実施・制作
⑥価格イメージの追加 ⑧LINE公式アカウントの設計・運用
⑩古い情報の非表示・更新  

特に①②⑤は、CMSの編集権限があれば今日から着手できる施策です。

一方で、「何から手をつければいいかわからない」「自社でやってみたが改善しなかった」という場合は、外部の目で診断してもらうことが最短ルートになります。実務上の実感として、GA4で細かい数値を追うより、サイトを知らない人に5分見てもらうほうが、重要な課題が早く見つかります。

自己診断チェックリスト

以下の項目を確認してみてください。×が多いほど改善の余地があります。

# 確認項目 ○ / ×
1 ファーストビューに「誰向けか」「何をするか」が明示されている  
2 問い合わせフォームの必須項目が5項目以内に収まっている  
3 資料ダウンロードなど、問い合わせ以外のCV経路がある  
4 対象とするターゲット・業種が明記されている  
5 CTAボタンがファーストビューとページ途中の両方にある  
6 料金・価格のイメージが何らかの形で掲載されている  
7 実績数・事例・担当者の顔写真など信頼要素がある  
8 フォーム以外の問い合わせ手段(電話・LINE等)がある  
9 フリー素材以外のリアルな写真が使われている  
10 お知らせ・ブログなどの更新が直近1年以内にある  

まとめ

BtoBサイトのCVR改善で重要なのは、施策の難易度より「優先順位」です。今回紹介した10の項目は、インパクトの大きいものから順に並べています。

特に①ファーストビューのメッセージ改善と②フォームの項目削減は、コストをほとんどかけずに今週から着手できます。この2つだけでも、問い合わせ数が変わるケースが多いです。

「すべてを自社でやらなければいけない」という必要はありません。できる範囲から着手して、判断に迷う部分や効果が出ない部分は外部に相談する、という進め方が現実的です。外部支援の選び方についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

弊社に相談する前に、まず自己診断を

上記のチェックリストを使って、自社サイトの現状を確認してみてください。×の数と内容を見れば、どこから手をつけるべきかが見えてきます。

①②⑤⑩は自社対応で進められます。一方で「どう書き直せばいいかわからない」「やってみたが変わらなかった」という場合は、外部の目を入れるタイミングです。

弊社では初回のヒアリングだけでもお気軽にお申し込みいただけます。「サイトを見てもらってどこが問題か教えてほしい」という相談からでも構いません。

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※ この記事はBtoBサイトのCVR改善に特化した内容です。SEO・広告の集客設計についてはこちらの記事をご覧ください。

よくある質問

Q. CVRの目標値はどのくらいに設定すればいいですか?

A. 業種・サービス単価・流入経路によって大きく異なるため、一概には言えません。まずは現状の数値を把握して、施策ごとに改善幅を計測する方法が現実的です。「平均と比べてどうか」より「先月と比べてどう変わったか」を見るほうが有益です。

Q. アクセスが月100〜200PV程度しかありません。CVRを改善しても意味がありますか?

A. アクセス数が少ない場合、CVRの改善よりも集客自体の強化を優先することをお勧めします。ただし、①FVメッセージの改善や②フォームの最適化は、アクセス数に関わらず基本として整えておく価値があります。

Q. フォームの項目を減らすと、問い合わせの質が下がりませんか?

A. 初回問い合わせの段階では、質より量を優先することをお勧めします。詳細な情報は商談の中で確認できます。項目を減らして問い合わせ数が増えれば、結果的に商談数・受注数も増えるケースがほとんどです。

Q. LINEの問い合わせ窓口は、BtoBでも有効ですか?

A. サービスの単価や対象企業の規模によります。個人事業主や小規模法人を対象とするサービスでは有効なケースが多いです。一方で大手企業や官公庁が対象の場合は、フォームや電話のほうが適切なことが多いです。

Q. サイトの改修にはいくらくらいかかりますか?

A. ①②⑤⑩のようなテキスト・設定変更であれば、CMSの操作ができれば費用ゼロで対応できます。LP全体のリニューアルや資料DLの仕組み構築は、外注する場合は数十万円〜になるケースが多いです。優先度の高いものから自社で着手して、必要な部分だけ外注する進め方が費用対効果の面で現実的です。