低予算で始める製造業・メーカーのリスティング広告|相場・キーワード・事例
Webマーケティングコンサルタント/合同会社KAIZUKA代表。マーケ担当がいないBtoB中小企業に特化し、戦略設計から少額予算からのリスティング広告・SEO・LLMO(AI検索最適化)の実行まで、提案・窓口・実行を一貫して担当。担当者が変わらない伴走支援を東京を拠点に全国で提供。マーケ支援12年・150社以上。
製造業・メーカーのリスティング広告は、月10万円程度の低予算からでも成果が出ます。ただし「どの商材でも出る」わけではなく、成果が出る条件と、ほぼ確実に失敗する条件がはっきり分かれます。
この記事では、合同会社KAIZUKAが中小企業のリスティング広告を支援してきた経験(マーケ支援12年・150社以上)をもとに、製造業・メーカー・専門商社が低予算でリスティング広告(Google広告・Yahoo!広告)を始めるときの判断材料をまとめます。
この記事でわかること
- 製造業のリスティング広告を始めるときの現実的な予算の下限と、予算帯ごとにできること
- 費用対効果を「高い/安い」の感覚ではなく、許容できる獲得単価から逆算して判断する方法
- 製造業特有のキーワード設計(4分類)と、必ず除外すべきキーワード
- 検索広告だけで足りないときのリターゲティング・ディスプレイ広告の使いどころ
- 月10万円から商談が月1件→月5件に増えた機械専門商社の実例
BtoB製造業のリード獲得は、いまも展示会が中心的な役割を担っています。展示会そのものは回復しましたが、以前と大きく変わったのは、展示会で名刺交換した後、あるいは展示会に行く前に、担当者が必ず社名と製品名を検索して比較するようになったという点です。検索結果に自社が出てこない、あるいは競合しか出てこない状態は、それ自体が失注の理由になります。
リスティング広告は、この「検索して比較される場面」に最短で入り込める手段です。SEOのように成果まで数か月待つ必要がなく、出稿を止めればすぐ止まるため、低予算での検証にも向いています。
この記事の目次
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製造業のリスティング広告は月いくらから始められる?
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製造業のリスティング広告は他業界と何が違う?
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うまくいく製造業リスティング広告の3条件とは?
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反対に、失敗しやすい3つのケースとは?
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ニッチな製品でも検索需要はあるのか?調べ方
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製造業のリスティング広告のキーワードはどう設計する?
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製造業の広告の費用対効果はどう判断する?
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検索広告だけで足りないとき、リターゲティングやディスプレイ広告はどう使う?
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【事例】機械専門商社:月10万円から商談が月5件に
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製造業以外のBtoBでも同じように考えていい?
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まとめ
製造業のリスティング広告は月いくらから始められる?
結論として、調査・テスト目的なら月10万円×3か月、本格運用なら月30万円前後が現実的な下限です。 月5万円以下では、コンバージョンが発生するかどうかを判断できるだけのデータ量が集まらないケースが多くなります。
理由はシンプルで、リスティング広告は「クリック単価 × クリック数」で成り立っているためです。BtoB製造業のキーワードはクリック単価が数百円になることが多く、月5万円では月間クリック数が100〜300程度にとどまります。コンバージョン率が1〜3%なら、発生するコンバージョンは月1〜9件。この件数では、成果が出なかったときに「商材が合っていない」のか「設定が悪い」のか「たまたま」なのかを切り分けられません。

| 月予算 | 想定クリック数 | 想定CV数 | できること | 向き・不向き |
|---|---|---|---|---|
| 5万円 | 100〜300 | 1〜9件 | 検索需要の有無の確認まで | 判断材料にならないことが多い |
| 10万円 | 200〜600 | 2〜18件 | 調査・テスト配信。勝ちキーワードの特定 | 最小の検証単位としておすすめ |
| 30万円 | 600〜1,800 | 6〜54件 | キーワードを広げて本格運用。リターゲティング併用 | 継続的な商談創出を狙う段階 |
| 50万円以上 | 1,000〜3,000 | 10〜90件 | 複数製品・複数地域の同時展開 | 商材の幅が広い企業向け |
※クリック単価150〜500円、コンバージョン率1〜3%で計算した目安です。実際の数値は商材・競合状況によって大きく変動します。
期間についても補足します。運用開始直後はクリック単価やコンバージョン数が安定せず、機械学習が落ち着くまでに2週間程度かかります。1か月だけ配信して判断するのは早すぎます。最低3か月、合計30万円程度は「授業料も含めた検証予算」として見ておくのが安全です。
予算の考え方をより詳しく整理したい場合は、リスティング広告の費用はいくらで始めるべきか、中小企業全般の前提条件は中小企業がリスティング広告をやるなら最低限理解すべきポイントで解説しています。
製造業のリスティング広告は他業界と何が違う?
大きく3つ、「市場がニッチで検索数が少ない」「受注までのリードタイムが長い」「工場の生産能力に上限がある」という制約があります。 この3つを前提にしないまま一般的なセオリーで運用すると、ほぼ噛み合いません。

なぜニッチ市場ほどキーワードを広く取るのか?
製造業のリスティング広告では、特定のニッチな市場を狙うことが一般的です。この場合、キーワードを絞り込みすぎると、そもそも表示回数が発生しません。
一般的なリスティング広告のセオリーは「無駄クリックを避けるためキーワードを絞る」ですが、月間検索回数が数百回規模の市場では逆で、ターゲットがいそうなキーワードを広めに設定し、部分一致も使いながら実際に検索されている語を拾い上げていくアプローチが必要になります。検索語句レポートを見ながら、無駄な語を除外キーワードで削っていく順番です。
また、ターゲットが限定されているからこそ、広告文でのメリット訴求が欠かせません。スペックを列挙するだけでは差が伝わりません。「公差±0.01mm対応」よりも「試作1個から対応・最短5営業日」のように、相手の困りごとが解決する形で書くほうがクリック率も問い合わせ率も上がります。
受注までのリードタイムが長い場合、何を成果指標にすべきか?
製造業は検討期間が長く、初回接触から受注まで半年〜数年かかることも珍しくありません。そのため、広告の成果を「今月の受注」で測ると、ほぼ必ず「効果なし」という結論になります。
現実的な設計は、問い合わせよりも手前の行動をコンバージョンとして計測することです。具体的には、カタログ・技術資料のダウンロード、事例集の閲覧、仕様書のPDF取得などです。これをマイクロコンバージョンとして設定すると、低予算でもデータが溜まり、機械学習も働きやすくなります。
そのうえで、ダウンロードしたリードにメールで情報提供を続け、検討が動いたタイミングで営業が接触する形にします。ダウンロード資料やホワイトペーパーの制作はBtoB記事制作サービスでも扱っている領域です。
工場の稼働率と広告出稿はどう連動させるか?
BtoCと違い、製造業には「受注が増えすぎると困る」という状況が実際に起こります。ラインが埋まっているのに引き合いが増えると、納期遅延やお断りが発生し、かえって評価を落とします。
生産スケジュールを定期的に確認し、繁忙期は予算を絞る、閑散期に向けて数か月前から出稿を強める、といった調整を前提に運用計画を組んでください。リスティング広告は日予算をいつでも変更できるので、この「アクセルとブレーキが効く」点は、展示会や紙媒体に対する明確な優位性です。
うまくいく製造業リスティング広告の3条件とは?
「①検索されるニーズが存在する」「②競合と比べた差別化がページに書かれている」「③相場に合った獲得単価を許容できる」の3つです。 この3つが揃っていれば、予算が小さくても成果につながる可能性が高くなります。

条件1:検索されるニーズが存在しているか?
リスティング広告は、ユーザーの検索行動に対して表示される広告です。誰も検索していなければ、そもそも接点が生まれません。
ユーザーは「問題の解決」や「悩みの解消」を目的に検索します。逆に言えば、困っている人がいない問題を解決する製品は、リスティング広告に向いていない可能性が高いということです。優れた技術であっても、それを言葉にして検索している人がいなければ、広告では届きません。
条件2:競合と比べた差別化がページに書かれているか?
紹介や既存取引と違い、オンライン経由の見込み顧客は、ほぼ確実に競合他社と比較します。 3〜5社に同時に問い合わせることも普通です。
この比較検討に勝つには、他社と比べた強みが必要です。機能や性能に限らず、価格、納期、最小ロット、対応可能な材質、試作対応の柔軟さなど、何でも構いません。重要なのは、その強みがランディングページに書かれているかです。強みが社内の暗黙知として存在するだけでは、広告は機能しません。差別化が言語化できていない場合は、広告を始める前にポジショニングの整理を先にすることをおすすめしています。
条件3:相場に合った獲得単価を許容できるか?
広告費の設定で重視すべきは、総予算の多さではなく、「1件の獲得にかけられる金額が相場に合っているか」です。
競合が1件の問い合わせ獲得に3万円かけている市場で、自社だけが5,000円で獲得しようとしても、入札で勝てないため表示すらされません。まずは相場程度の単価で獲得できるかをテストし、そこから改善していく順番が現実的です。
反対に、失敗しやすい3つのケースとは?
「検索需要がほぼない」「LPが会社紹介のままになっている」「配信量が足りないまま判断してしまう」の3つです。 いずれも配信前に見分けられるため、事前チェックの価値が高い項目です。
ケース1:主要キーワードの検索回数がほぼゼロ
自社独自の技術名・造語・型番だけで勝負しようとすると、検索需要が存在しないことがあります。見分け方は、後述のキーワードプランナーで主要キーワードの月間検索回数を確認することです。主要キーワード群の合計が月100回を大きく下回る場合は、リスティング広告以外の手段を優先したほうが合理的です。
ケース2:LPが会社紹介のままになっている
広告のリンク先が会社概要ページやトップページのままというケースは、実際によくあります。この状態では、クリックはされてもほぼ問い合わせに至りません。
最低限必要なのは、①誰のどの課題を解決する製品か、②競合と比べた強み、③実績・導入事例、④問い合わせと資料ダウンロードの両方の導線、の4点です。広告費を増やす前に、この受け皿を先に整えるほうが投資効率は確実に高くなります。 受け皿の点検には、BtoBの問い合わせ改善チェックリスト30(無料ダウンロード)が使えます。
ケース3:配信量が足りないまま「効果なし」と判断する
「試しに5万円で配信したが、問い合わせが1件もなかった」という相談を受けることがあります。前述のとおり、この予算では判断材料が集まりません。
BtoB・製造業では、1件のコンバージョンに数万円かかることは珍しくありません。 つまり月5万円の予算では、統計的には「0件」が普通に起こり得ます。0件だったという結果からは、商材が悪いのか設定が悪いのか何も分かりません。判断できる最小の配信量を確保してから評価してください。
コンバージョン単価が想定より高い場合の原因と改善策は、検索広告のコンバージョン単価が高い原因と改善方法で詳しく解説しています。
ニッチな製品でも検索需要はあるのか?調べ方
キーワードプランナーなどのツールで月間検索回数を調べれば、配信前に判断できます。 製造業の場合、月間数百回でも十分に成立するケースがあります。

Google広告を利用している場合は「Google 広告キーワードプランナー」が最も精度が高く、無料で使えます。
参考:キーワード プランナーで最適なキーワード選択 - Google 広告
Google公式以外にも、Ahrefs、ラッコキーワード、Ubersuggest といったツールがあります。ただしこれらは独自の推定方法を使っているため、数値をそのまま真に受けず、参考値として扱ってください。
判断の目安は次のとおりです。
| 主要キーワード群の月間検索回数(合計) | 判断 |
|---|---|
| 1,000回以上 | 十分。予算を分けて複数キーワードを検証できる |
| 300〜1,000回 | 成立しやすい。月10万円の検証から始める |
| 100〜300回 | 単価が合えば成立。ただし件数の上限は低い |
| 100回未満 | リスティング広告以外の手段を優先 |
検索需要がほとんどない場合、代わりに何をするか?
検索されていない製品は、検索広告では届きません。この場合の選択肢は3つあります。
1つ目は、製品名ではなく課題名で検索需要を探すことです。「〇〇加工機」で検索されていなくても、「バリ取り 自動化」「金属 溶接 内製化」のように、解決したい課題の言葉では検索されていることがよくあります。
2つ目は、後述のディスプレイ広告やFacebook・Instagram広告(Meta広告)で、業種・役職などのターゲティングを使って認知から作る方法です。
3つ目は、検索需要そのものを作るアプローチで、技術記事や事例コンテンツを蓄積して検索とAI検索の両方から拾われる状態を作ります。時間はかかりますが、資産として残ります。この領域はBtoB記事制作サービスで対応しています。広告の検索クエリからコンテンツのテーマを設計できるのは、広告とSEOを同じ担当者が見ている場合の強みです。
製造業のリスティング広告のキーワードはどう設計する?
製造業のキーワードは「製品・型番」「課題・用途」「代替・比較」「スペック・技術」の4種類に分けて、それぞれ別の広告グループとリンク先を用意します。 検討段階が違うキーワードを同じ広告文・同じLPで受けると、費用対効果が大きく落ちます。

| 分類 | 検索例 | 検討段階 | 想定CPC | リンク先/CV設計 |
|---|---|---|---|---|
| ①製品・型番系 | 「〇〇加工機 メーカー」「型番+価格」 | 購買直前。最も濃い | 高め | 製品LP。問い合わせ・見積依頼 |
| ②課題・用途系 | 「バリ取り 自動化」「〇〇 コスト削減」 | 課題認識段階。数が多い | 中 | 課題別LP。資料ダウンロード |
| ③代替・比較系 | 「〇〇 代わり」「切削 プレス 比較」 | 比較検討。競合と衝突 | 高め | 比較コンテンツ+事例。資料DL |
| ④スペック・技術系 | 「〇〇 耐熱温度」「公差 〇〇」 | 技術者の情報収集 | 低め | 技術資料ダウンロード |
低予算で始める場合の優先順位は、①→③→②→④です。①は検索数が少ない代わりに問い合わせ率が高く、少額でも成果が見えやすいためです。④は数が取れますが、その場では問い合わせにならないため、資料ダウンロードを受け皿にして初めて意味を持ちます。
製造業で必ず除外すべきキーワードは?
製造業の検索キーワードには、購買意図のない検索が大量に混ざります。除外キーワードを設定しないと、低予算のほとんどがここで消えます。 配信開始時に最低限入れておくべき除外カテゴリは次のとおりです。
- 採用系:求人/転職/年収/給料/アルバイト/新卒/採用
- 学術・学習系:とは/意味/原理/論文/卒論/レポート/大学/研究室/授業
- 無料・自作系:無料/フリー/自作/DIY/手作り/中古/レンタル
- 同業・業界情報系:一覧/ランキング/シェア/業界/協会/組合/〇〇とは何か
- 自社と無関係な同名語:製品名が一般名詞と重なる場合は特に注意
配信開始から2週間は、検索語句レポートを2〜3日に1回確認して除外を追加する運用が効果的です。この初期の除外作業が、そのまま費用対効果の差になります。
製造業の広告の費用対効果はどう判断する?
コンバージョン単価を感覚で「高い/安い」と評価するのではなく、受注単価と粗利から許容できる獲得単価を逆算して判断します。 製造業は1件の受注額が大きいため、獲得単価が数万円でも十分に成立するケースが多くあります。
計算の順番は次のとおりです。

| ステップ | 計算例 |
|---|---|
| ①平均受注単価 | 300万円 |
| ②粗利率 | 30% → 粗利90万円 |
| ③商談から受注に至る率 | 25% → 商談1件の価値 22.5万円 |
| ④問い合わせから商談に至る率 | 50% → 問い合わせ1件の価値 11.2万円 |
| ⑤許容CPA(リード価値の1/3〜1/5を目安) | 2.2万〜3.7万円 |
※あくまで計算例です。自社の受注単価・粗利率・各転換率を入れて計算してください。
この例なら、問い合わせ1件に3万円かかっても事業として成立します。逆に、感覚的に「1件3万円は高い」と判断して予算を絞ってしまうと、成立していた投資を止めることになります。
さらに製造業の場合、リピート性と取引の継続期間を織り込む必要があります。 消耗品や部品の継続取引が発生する商材であれば、初回受注額ではなく、顧客生涯価値(LTV)で計算するのが正確です。年間300万円の取引が5年続くなら、許容CPAは一桁変わります。
転職・金融などの業界と比べればBtoB製造業のクリック単価は決して高くありませんが、コンバージョン単価だけを見ると「高い」と感じやすい構造になっています。市場の相場は競合の動きで変動するため、社内の基準は「感覚」ではなく上記の逆算で持ってください。
より詳しい予算設計の考え方はリスティング広告の費用はいくらで始めるべきかにまとめています。
検索広告だけで足りないとき、リターゲティングやディスプレイ広告はどう使う?
まず検索広告でサイト訪問者を集め、そのうえでリターゲティングを足す、という順番が基本です。 製造業は検討期間が長いため、一度サイトに来た人への再接触は費用対効果が高くなりやすい施策です。
リターゲティング広告を始められる条件
リターゲティング広告(Google広告では「リマーケティング」とも呼ばれます)は、サイトを訪問した人を追いかけて広告を表示する手法です。ただし前提条件があります。
リストに一定人数が溜まらないと配信されません。 Google ディスプレイネットワークの場合、リストの最小サイズは100人程度が目安です(媒体の仕様は変更されることがあるため、実際の管理画面で確認してください)。月間のサイト訪問が数十人程度の段階では、リターゲティングを設定しても配信量がほとんど出ません。
したがって順番としては、検索広告で月数百人規模の訪問を作る → リストが溜まったらリターゲティングを追加という流れになります。予算配分の目安は、検索広告8割・リターゲティング2割程度から始めるとバランスが取りやすいです。
製造業でリターゲティングを効かせる設計
製造業の場合、訪問者全員を同じ広告で追いかけるのは非効率です。以下のように分けると効果が上がります。
- 製品ページを見たが問い合わせしなかった人 → 事例・導入実績を訴求
- 資料をダウンロードした人 → 別の資料や技術セミナーを訴求
- すでに問い合わせ済みの人・既存顧客 → 除外する(広告費の無駄になります)
- 採用ページの訪問者 → 除外する(求職者に製品広告を出しても意味がありません)
この「除外」が抜けているケースは非常に多く、特に採用ページ訪問者の除外は、製造業では必ず設定してください。 求人検索からの流入が多い企業ほど、リストが求職者で埋まってしまいます。
ディスプレイ広告・デマンドジェネレーションはどう考えるか
リターゲティングではなく、まだ自社を知らない層に向けたディスプレイ広告は、低予算では優先度を下げるのが基本方針です。認知目的の配信は成果が数字に出るまで時間がかかり、月10〜30万円の予算では検索広告に集中したほうが確実です。
ただし、前述のように「そもそも検索されていない製品」の場合は選択肢が変わります。業種・職種でのターゲティングが効くMeta広告(Facebook・Instagram)や、Googleのデマンドジェネレーションキャンペーンが候補になります。この場合も、いきなり問い合わせを狙うのではなく、資料ダウンロードを目的にして、獲得したリードに時間をかけて接触する設計が現実的です。
P-MAXなど自動化されたキャンペーンについては、商品フィードや十分なコンバージョンデータを前提とする面があるため、低予算のBtoB製造業では慎重に検討したほうがよいと考えています。まずは検索広告で勝ちキーワードを特定するほうが、学習の材料としても確実です。
【事例】機械専門商社:月10万円から商談が月5件に
海外製の機械を扱う機械専門商社で、月10万円のテスト配信から始め、引き合いが月1件程度から月5件程度に増えた事例です。 商談獲得単価は当初想定の5万円に対し、2万円前後で着地しました。
【事例サマリー】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 機械専門商社(海外製機械の輸入販売) |
| 従来の集客 | 展示会中心 |
| 課題 | 展示会の縮小により商談機会が減少。デジタル施策の立ち上げが必要 |
| メインキーワードの月間検索回数 | 約500回 |
| 初期予算 | 月10万円(調査・テスト配信) |
| コンバージョン設計 | 問い合わせ+資料ダウンロードをマイクロコンバージョンとして併用 |
| 商材単価 | 数百万円 |
| 許容商談単価 | 5万円 |
| 結果 | 引き合い月1件程度 → 月5件程度/商談獲得単価2万円前後 |

この会社では、これまで商談獲得の中心が展示会でした。展示会が縮小した時期にデジタル施策の拡充を進めることになり、リスティング広告の導入を検討しました。

広告対象製品のメインキーワードの月間検索回数は約500回。決して多くはないため、まずは予算を月10万円に設定し、調査を兼ねたテスト配信を行いました。

運用開始直後はクリック数、クリック単価、コンバージョン数のいずれも安定しませんでしたが、約2週間後には各数値が落ち着き、コンバージョンも発生し始めました。
このケースでは予算が小さいため、コンバージョン地点を問い合わせだけに設定するとデータ量が不足します。そこで、資料ダウンロードやホワイトペーパーの閲覧といった、より件数が見込める行動をマイクロコンバージョンとして併用しました。前述の「リードタイムが長い場合の成果指標」の考え方をそのまま適用した形です。
結果として、リスティング広告の実施前は月1件程度だった引き合いが、毎月5件程度に増加しました。製品の価格帯が数百万円と高いため、商談獲得単価は5万円でも許容範囲でしたが、実際には2万円前後で獲得できたのは良い誤算でした。
同じ製造業向けの立ち上げ事例として、製造業向けBtoBサービスのリスティング広告立ち上げ事例も公開しています。
この規模の予算でも運用代行は依頼できます。対応できる広告費の範囲と料金は少額予算のリスティング広告運用代行をご覧ください。
製造業以外のBtoBでも同じように考えていい?
基本の考え方は共通ですが、「工場の稼働率」の制約がない代わりに、検索需要が製造業より読みにくいケースがあります。
BtoB全般に共通するのは、①検討期間が長いためマイクロコンバージョンを設計する、②比較検討されるためLPに差別化を書く、③受注単価が大きいため許容CPAを逆算する、という3点です。ソフトウェア、業務代行、専門サービスなど、製造業以外のBtoBでもこの3点はそのまま当てはまります。
一方で違いもあります。製造業は「製品名・型番・材質・工法」といった具体的な検索語が存在するため、キーワードの見当がつけやすいという利点があります。対して、新しいカテゴリのサービスやコンサルティング系の商材は、顧客が何と検索するのかが分かりにくく、キーワード探索そのものに時間がかかります。この場合は、営業が実際に聞いた顧客の言葉をそのままキーワード候補にする方法が有効です。
まとめ
この記事では、製造業・メーカーといったBtoB業界におけるリスティング広告の始め方を解説しました。要点を再掲します。
- 予算:調査・テストなら月10万円×3か月、本格運用は月30万円前後が現実的な下限
- 成功条件:検索されるニーズがある/差別化がLPに書かれている/相場に合った獲得単価を許容できる
- 費用対効果:受注単価と粗利から許容CPAを逆算する。感覚で判断しない
- キーワード:4分類に分け、除外キーワード(特に採用系・学術系)を初期から設定する
- リターゲティング:検索広告で訪問者を集めてから追加する。既存顧客と採用ページ訪問者は必ず除外
リスティング広告は、ニッチな市場であっても一定の検索需要がある場合に効果を発揮します。「良い製品なのに知られていない」「競合より優れているのに認知されていない」という状況は、製造業でよく聞く話です。もしそれが実際に起きているなら、リスティング広告は有力な解決策の一つになります。
KAIZUKAでは月額広告費10万円からのリスティング広告運用代行を承っています。
手数料は「広告費の20%」という料率制ではなく、業務範囲と予算規模で決まる段階制です。運用のみなら月3万円から、レポートと月次定例を含む標準プランは月5万円から。最低出稿金額は設けておらず、ヒアリングから運用まで担当が変わらない体制でお受けしています。→ 少額予算のリスティング広告運用代行を見る
広告を増やす前に問い合わせの受け皿を点検しておきたい場合は、150社支援でわかったBtoB問い合わせ改善チェックリスト30はこちら(無料ダウンロード)。サイト・LP、フォーム・導線、流入の順にチェックできる構成です。
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FAQ
Q. 月5万円でも製造業のリスティング広告は効果がありますか?
A. 効果が出ないわけではありませんが、成果を判断できるだけのデータが集まりにくいため、おすすめしていません。月5万円ではクリック数が月100〜300程度にとどまり、コンバージョンが0件でも「商材が合わない」「設定が悪い」「たまたま」の切り分けができません。検証目的であれば月10万円×3か月を最小単位としてお考えください。
Q. Google広告とYahoo!広告は両方やるべきですか?
A. 低予算の段階では、まずGoogle広告に集中することをおすすめします。検索シェアが大きく、キーワードプランナーによる事前調査もしやすいためです。Google広告で勝ちキーワードが特定できた段階で、そのキーワードだけをYahoo!広告に展開すると効率がよくなります。ただし、ターゲット企業の年齢層が高く、Yahoo! JAPANの利用率が高いと想定される業界では、早めに併用を検討する価値があります。
Q. 自社の製品が検索されているか分からない場合、どう確認すればいいですか?
A. Google広告のキーワードプランナーで、製品名・工法名・課題を表す言葉の月間検索回数を確認してください。製品名で検索されていなくても、「バリ取り 自動化」のように課題を表す言葉では検索されていることがよくあります。主要キーワード群の合計が月100回を大きく下回る場合は、リスティング広告以外の手段を優先したほうが合理的です。
Q. リターゲティング広告はいつから始めるべきですか?
A. 検索広告でサイト訪問者が一定数集まってからです。リストが最小サイズ(Googleディスプレイネットワークでは100人程度が目安)に達しないと配信されません。月間の訪問者が数十人の段階では設定しても機能しないため、まず検索広告で月数百人規模の訪問を作ることを優先してください。始める際は、既存顧客と採用ページ訪問者を除外リストに入れることを忘れないでください。
Q. 代理店に依頼するか、自社で運用するかはどう判断すればいいですか?
A. 判断軸は「初期設計に割ける時間」です。リスティング広告は、キーワード設計・除外設定・LPの受け皿づくりといった立ち上げ期の作業量が最も多く、ここの精度が費用対効果を大きく左右します。社内に週数時間を継続的に確保できる担当者がいれば自社運用も可能ですが、兼任担当者しかいない場合は、立ち上げだけ外部に任せて運用を引き継ぐ形も現実的です。